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「ドバイチョコ」が凄いことになっている…(写真:筆者撮影(左)、ドレステーブル提供(右))
「3日で完売」「行列必至」──2023年末頃に始まった世界的なトレンド「ドバイチョコ」が今、さらなる進化を遂げている。ピスタチオの緑色やザクザクとした食感がSNSで大ウケし、「餅クッキー」「アイス」「デニッシュ」といった進化系が続々と発売、さらには“ネクスト ドバイチョコ”まで登場している。なぜ、大手を含む各社が「ドバイチョコ」に注目しているのか。人気店が集う新大久保を現地取材するとともに、「ドバイスタイルチョコレート」シリーズが好評のリンツ&シュプルングリージャパンに取材。人気の理由を探ると、ドバイチョコが持つ意外な“実力”が見えてきた。 【画像付き記事全文はこちら】大手も続々参入、一過性で終わらなかった「ドバイチョコ」の実力……
「780万いいね」世界的トレンドはここから始まった
ドバイチョコの流行の始まりは、ドバイの小さなチョコレートブランド「FIX Dessert Chocolatier(フィックス デザート ショコラティエ)」が開発した「Can't Get Knafeh of It」(訳:クナーファの虜になって抜け出せない)という名前のチョコレートバーだった。 ドバイチョコとは、ピスタチオクリームとカダイフ(またはカダユフ、小麦粉やトウモロコシ粉でできた極細麺)をチョコレートでコーティングした板チョコのこと。ピスタチオの鮮やかな緑色と“ザクザク”としたそしゃく音がSNSの人気カテゴリー「ASMR」にハマり、世界的なトレンドに発展していった。 ASMRとは、聴覚や視覚の刺激による心地よさやゾクゾクした快感を誘発する現象を指し、たき火のパチパチ音やタイピング音、スイーツなどのそしゃく音に耳かき音まで幅広く投稿されている。 ドバイのインフルエンサー、Mariaveheraさんが2023年12月に投稿したドバイチョコをザクザクと食べる動画は、またたく間に拡散。現時点で780万もの「いいね」がついている。各国のインフルエンサーもこれに続き、日本を含め世界的に人気が広がっていった。
国内では2025年から流行、ゴディバやリンツでもヒット続出
日本では、2025年頃からドバイチョコの本格的なトレンドが始まった。大手のなかでも当初から流行の波に乗ったのが、スイス発の老舗チョコレートブランド・リンツだ。 2025年3月に限定2万枚で「ドバイスタイルチョコレート タブレット」(2,900円)を発売すると、高額にもかかわらず3日で完売に。4月には同シリーズに「バー」(1,300円)、「プラリネ」(3,500円)のラインアップを追加。発売から約5カ月でシリーズ累計約63万個を販売するヒットとなり、今も継続販売中だ。9月には全国30店舗、6000杯限定で「ドバイスタイルチョコレートドリンク」(1,480円、終売)を発売。こちらも大きな反響を得たという。 「当社のコアターゲットは40~50代の方ですが、ドバイスタイルチョコレートはSNSを中心に発信したためか、接点が薄かった20~30代の若年層の購入者も見られます。当社会員のうち15%が、一度はドバイスタイルチョコレートを購入しているという実績があり(2026年2月時点)、高額製品であることを踏まえると、すばらしい成果だと評価しています」(リンツ&シュプルングリージャパン プロダクトマーケティングマネージャー 影山裕樹氏) ゴディバも同様に流行の波を捉え、ヒットを生んだ。2025年6月に、ゴディバ カフェで発売した「ドバイチョコレート ショコリキサー」(810円~)、「ドバイチョコレート パフェ」(1,890円)、GODIVA Bakery ゴディパンで発売した「季節のコロネ(ドバイチョコレート)」(507円)は、いずれも想定以上の反響を得たという(いずれも終売)。トレンドに敏感な20~30代だけでなく、ショコリキサーは普段の客層とは異なる男性客にも好評だったそうだ。 2026年1月には、セブン-イレブン限定でドバイチョコレートバーアイスクリーム(388円、終売の可能性あり)を発売するなど、継続的にドバイチョコ関連製品を販売している。 そして、2026年になると、各社から「進化系ドバイチョコ」が続々と登場。SNSで注目を集める店舗が集う新大久保の街を歩いてみると、あるトレンドが一目瞭然だった。
【実食】どこもかしこも…新大久保で目撃した“お祭り”状態
3月下旬、新大久保駅の周辺を現地取材した。すると、いたるところで「ドバイ餅クッキー」「ドバイチョンドゥククッキー」と書かれたスイーツが販売されていた。「チョンドゥク」とは、韓国語で「もちもち」「弾力がある」の意味となる。 ドバイ餅クッキーとは、「ドバイチョコ」と韓国のお菓子「チョンドゥククッキー」をかけ合わせた進化系スイーツで、1月頃からトレンドが始まったようだ。マシュマロを使ったもちもちした生地でピスタチオクリームとカダイフを包み、ココアパウダーをまぶしている。 たとえば、韓国・済州島スタイルのベーカリー型カフェ「OKUDO CAFE(オクドカフェ)」では、目玉的にドバイチョコ製品を販売している。なかでも、ドバイ餅クッキーは路上に大きな看板を出してアピールし、平日の午前中から多くの女性客が訪れていた。 その隣のカフェ・雑貨店「GAROSUGIL(カロスキル)」でも、同じく看板でドバイ餅クッキーをアピール。さらに、同じ道沿いにある韓国スタイルベーカリー&スイーツカフェ「PANNARA(パンナラ)」でも、やはりドバイ餅クッキーが目立つ場所で販売されていた。 見た目や価格帯(約500~600円)はどこも代わり映えがなく、各店が強みを活かして差別化を図っているというより、「今韓国でトレンドのドバイ餅クッキー」として押し出しているようだ。 上記のうち、パンナラでドバイ餅クッキーを購入して食べてみた。イメージしていた餅と比べると、もちもち感は控えめだったが、弾力のある生地と“ザクザク食感”は十分に体感できた。細長いカダイフは、日本人にはおなじみの「ベビースターラーメン」に食感が似ている。Webでは、手に入りにくいカダイフの代わりに「ベビースターラーメンを使ったドバイチョコのレシピ」が紹介されていた。 ちなみに、最近、韓国を訪れたというリンツ&シュプルングリージャパンの広報担当者によれば、「韓国ではドバイ餅クッキーがコンビニでも売られていて、街中にはドバイチョコ関連のスイーツがあふれている“ドバイチョコ祭り”のような状態」なのだという。
アイスやパン…大手からも「進化系」が続々、意外な派生力
大手や人気店でも、続々と「進化系ドバイチョコ」が発売され、話題を呼んでいる。 たとえば、サーティワンでは、2026年1月9日から新作フレーバーとして「ドバイ スタイル チョコレート」(シングル・レギュラーサイズ 420円、なくなり次第終了)を発売。隠し味の焦がしたカラメルを加えたビター風味のチョコレートアイスクリームや、砕いたワッフルコーンを混ぜ込んだカダイフ入りチョコなど独自アレンジが特徴で、一定の評価を得たようだ。 成城石井でも、自家製の「ドバイチョコ風ケーキ」(646円)を2025年4月に発売。韓国の現地視察を通じて開発され、現在も継続販売されている。Webでの評価は賛否両論あるものの、高評価の口コミも複数見られた。 全国的に展開する人気のパン屋「TruffleBAKERY(トリュフベーカリー)」でも、2026年2月から全店舗でドバイチョコのデニッシュ(オープン価格、中央値は500~600円)を販売。今では、行列必至の大人気商品となっているそうだ。 「ザクザクのデニッシュ生地にピスタチオ、カダイフ、ホワイトチョコで作り上げたドバイチョコを包み、まず食感を楽しめるようにしました。100%フレッシュバターのみで製造するクロワッサンと同じ生地で作っているため、温め直すとバターが溶け出し、ジュワッとした食感も楽しめる新感覚のドバイチョコとなります」(ドレステーブル トリュフベーカリー 広報 茂木玖美氏) 同製品が開発されたのは2024年夏頃だった。まず一部店舗から販売開始し、2025年春に大阪の店舗で本格的に販売開始、夏には新たに開業したルミネ新宿店でも扱うように。その後、好評であったことから2026年2月前半に全店舗に販売を拡大。同月後半には、TikTok投稿を期に一気に広まったという。 トレンドグルメのインフルエンサーによる該当投稿には、「パリパリザクザクで、ちょっとトリュフ感もあっておいしい」というコメントとともに、パンを2つに割ったときのパリっとした音も紹介されている。 「購入者層は20~50代まで幅広いのですが、割合としては若年層、かつ女性の方が多いですね。1日に何度かドバイチョコが焼き上がるタイミングがあり、店頭に並ぶとすぐに完売することも多いです。次の焼き上がり前には、たくさんのお客さまが並ばれている状況です」(トリュフベーカリー 茂木氏)
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