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「なんでこんなことができるんだろう」海岸にビーズクッションの中身が散乱 鹿児島・重富海岸
姶良市の重富海岸で、ビーズクッションの詰め替え用の中身が砂浜にばらまかれているのが見つかりました。
毎日清掃活動を続けるNPO法人「くすの木自然館」のスタッフが発見し、「マイクロプラスチックとして多くの生き物に影響を与える」と警鐘を鳴らしています。波消しブロックの間に白い粒
4月6日午前10時ごろ、くすの木自然館のスタッフ・浜本麦さんが重富海岸の清掃中に異変に気づきました。
地域の人々に愛される、豊かな干潟と松林が広がる姶良市の重富海岸。
海の保全や自然体験などを行うNPO「くすの木自然館」の浜本麦さんたちスタッフの朝は、訪れる人が気持ち良くすごせるよう、散策路の整備やごみ拾いから始まります。
しかし、6日の朝は、いつもと様子が違っていました。「最初は塩かな?」と思ったら「クッション詰め替え用の発泡ビーズ」
「砂浜のテトラポッドの間に、なんか白いものがまかれた後があり、最初は塩かな?と思ったんです」(浜本さん)
砂浜に降りて近くで確認すると、白い粒の正体はビーズクッションの詰め替え用発泡ビーズでした。近くには「詰め替え用の新品」を開けたとみられる袋まで落ちていて、風で周囲にも広がっていたといいます。「これはよくない!」2人で1時間半、それでも拾いきれず
発泡ビーズは非常に細かく、砂に混じり込んでいたため、浜本さんたちは砂ごとまとめて回収するしかなかったといいます。いつもは15分ほどで終わる清掃でしたが、発泡ビーズの回収は時間がかかりました。
「とりあえず砂ごと回収して処理したけど、2人で一時間半近くかかりました。それでも細かいものは拾いきれず…」回収を急いだ「3つの切実な理由」
浜本さんたちが、風で飛ばされる前にと必死にビーズの回収を急いだのには、切実な理由がありました。
発泡ビーズが海に流れ出て「マイクロプラスチック」になると、海の生き物に「深刻なダメージ」を与えてしまうからです。
1つ目は、物理的なダメージです。 魚がこのビーズをプランクトンなどのエサと間違えて食べてしまうと、体内で消化されません。胃袋にプラスチックが溜まることで「満腹だ」と錯覚してしまい、本当のエサが食べられずに弱ったり死んだりしてしまう危険があるのです。
2つ目は、有害物質の吸収です。 プラスチックは海を漂う間に、海中に溶け込んだ有害な化学物質を吸い寄せることがあります。また、プラスチック自体の添加剤などが胃の中で溶け出し、魚の免疫力や生殖機能に悪影響を及ぼすと考えられています。「ほんと、なんでこんなことができるんだろう…」
3つ目が、生態系全体への影響です。 有害な物質を取り込んだ小魚を、中くらいの魚が食べ、さらにそれを大きな魚や鳥が食べる…。この食物連鎖によって毒性がどんどん濃縮されていき、最終的には、巡り巡って私たち人間の食卓に及ぶ危険性も指摘されています。
浜本さんはSNSに投稿し、「発泡ビーズは絶対に自然に還らず、海に流出するとマイクロプラスチックとして多くの生き物に影響を与えるものです」と訴えました。
そして「ほんと、なんでこんなことができるんだろう、理解できない…」「次回、海岸にきたときには、自然環境への謝罪として、同じ数×20のプラスチックを拾って帰って下さい」と、率直な怒りと困惑をにじませました。焚き火の跡、放置ごみ…海岸に残された問題行為
問題は発泡ビーズにとどまりません。くすの木自然館によると、ここ数日だけでも、海岸での焚き火の跡や、コンビニやファストフードなどのゴミが捨てられているのが目立っています。人目につかないトイレの中にゴミが大量に捨てられている悪質なケースもあったといいます。
重富海岸の松林は防風林の役割を担っていて、火気厳禁となっています。それでも焚火の跡はよく見かけるといいます。
「以前は朝、確認するとまだ火が燻っていることもありました。もしも、火の粉が松に飛んだら一瞬で松林は燃えてしまいます」(浜本さん)たくさんの方が好きでいてくれる海岸が残ってほしいから
浜本さんはSNSへの投稿の中で、「ごみや火の扱いについて、海岸に関する条例をつくってほしい」とした上で、「重富海岸を大切に利用してくださる方のほうがたくさん、たくさんいらっしゃる中でこのような投稿をするか迷いましたが、これからも、たくさんの方が好きでいてくれる重富海岸が残っていて欲しいからこそ、今日はこのような投稿をさせていただきました」と投稿に込めた思いを明かしています。
愛される海岸を守り続けるスタッフたちの思いと、日常の保全活動の重さが、今回の出来事であらためて浮き彫りになりました。
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