Advertisement
Advertisement
鹿児島県はインバウンド(訪日客)を呼び込むために、外国人限定で九州新幹線の博多-鹿児島中央間の片道運賃を全額補助する事業を発表しましたが、県には「外国人優遇」や「不公平だ」といった約600件の批判が寄せられ、交流サイト(SNS)では炎上する事態となりました。識者は「排外主義の高まりが背景にある」と指摘しており、自治体や企業が外国人関連の施策を進める際には、より丁寧な情報発信が求められています。(竹森太一) ■福岡・相島でネコと戯れる海外からの観光客たち【写真】 鹿児島県のインバウンド需要はコロナ禍からの回復が遅れており、九州運輸局によると2024年の県内の外国人宿泊客数は62万人で、2019年の7割にとどまっています。鹿児島空港は日中関係の悪化により上海便や香港便の運休が続いています。一方、福岡空港では2025年の外国人入国者数が375万人と過去最多を記録しており、鹿児島県は九州新幹線を通じてその流入を狙っています。
鹿児島観光の玄関口となるJR鹿児島中央駅。博多から九州新幹線の所要時間は最短1時間16分=3月下旬、鹿児島市
この事業は新規の実証実験として、PR経費なども含め約2億7800万円を計上しています。県内に1泊以上滞在する訪日客には、九州新幹線の片道料金約1万1千円を全額補助するチケットと宿泊をセットにしたプランを提供し、約2万人の利用を見込んでいます。県内観光消費額は約17億円と推計され、米国、シンガポール、タイなどの旅行予約サイトで販売する予定です。 県は2月上旬にこの事業を発表しましたが、SNSには「売国奴」といった批判が寄せられました。県議会はこの事業を盛り込んだ本年度一般会計予算案を3月25日に可決しましたが、議員からは「税金は県民に還元すべき」という意見や「県民の納得する説明責任が求められている」といった厳しい意見が相次ぎました。県は「訪日客の観光消費額が国内客の3倍に上る」といったメリットを説明する必要に迫られています。 県の幹部は「国内客向けも含めたさまざまな観光支援策の一環だが、外国人優遇との誤解を与えてしまった」と述べています。塩田康一知事は「観光関連産業は裾野が広く、県民全体の利益につながる」との理解を求めています。 また、県は利用者に福岡経由を選んだ理由や新幹線移動の感想などをアンケートし、今後の誘客に活かす方針です。
Advertisement
Advertisement
Advertisement
Advertisement
